筋肉づくりに炭水化物(糖質)が必要な理由。筋トレ前後の糖質摂取は効果的?

炭水化物(糖質)が必要な理由

筋トレの効果を十分に反映させるためにはタンパク質が豊富に含まれていて、効率的に吸収を促すプロテインが有効であることはプロテインが必要な理由。筋肉の発達を促し、減少を阻止!筋トレしていない人も飲んだがいいの?で説明している通りです。

確かにタンパク質は筋肉づくりにおいて最も大切な栄養素ですが、筋肉をさらに効率的に付けるのであればタンパク質以外のさまざまな栄養素も摂り込む必要があります。

そのうちの一つが炭水化物です。

三大栄養素の一つで人が生きる上で非常に大切な栄養素の一つではありますが、炭水化物が筋肉づくりになぜ役立つのか理由が分からないといった方が多いのではないでしょうか。

そこで、今回は筋肉づくりと炭水化物の関係などについてまとめましたので紹介していきたいと思います。

炭水化物がなぜ筋肉づくりに必要なのか?

炭水化物と筋肉づくりは実は切っても切れない関係でもあります。炭水化物が筋肉づくりに役立つ場面というのはタンパク質と比較すれば数こそ少ないものの、ある重要なシーンにおいて必ず摂取しておきたい栄養素の一つです。それでは、炭水化物が筋肉づくりに必用な理由をいくつか取り上げてみたいと思います。

筋肉の分解を防ぐという大きな役割を持つ炭水化物

筋肉づくりを行っているという方は、日々の生活の中で当然筋トレをしていると思いますが、この筋トレで使用するエネルギーはどこから使われているかご存じですか?

意外と『タンパク質!』という方も多いですが、実は筋トレで使用するエネルギーは炭水化物なのです。

炭水化物というとピンとこないかも知れませんが、糖質と言うとエネルギー源として重要な役割をする栄養素であることが理解できると思います。炭水化物には食物繊維も含まれますが、食物繊維はエネルギー源になりにくい性質があるので、ここでは糖質に統一して表記します。

もちろん、筋トレ時だけでなく日々の生活の中で使われるエネルギーもこの糖質です。厳密にいうと糖質は体内に運ばれるとグリコーゲンという成分に姿を変えて筋肉(筋グリコーゲン)や肝臓に貯蓄されていくという形をとります。そして、日々の食生活の中で糖質がしっかりと摂取できている状態であれば、何ら問題はありませんが、怖いのは糖質が不足している時。

糖質が不足している状態になると、体は『エネルギー(糖質)がないじゃん、じゃあ筋肉のタンパク質をエネルギーとして使っちゃおう』と、筋肉の分解を始めてしまうのです。

これは筋肉づくりを行っている方であれば、当然のことながら避けなければいけない状況であり、仮に筋トレ中に糖質が切れると、体はどんどん筋肉を分解していきますから、筋トレをしているのに筋肉が減っているという状態となってしまうわけですね(とは言えミクロ単位なので月日を経て体に現れる)。

そのため、糖質というのは筋トレ前などのエネルギーとして必ず摂取しておきたい栄養素でもあるのです。

筋トレ直後のゴールデンタイムにも糖質は超重要

炭水化物を最も摂取したいタイミングというのは筋トレ前後であり、筋トレ前というのは前述のように筋トレに備えてのエネルギー補給の目的で摂ります。

そして筋トレ直後の筋肉の成長のゴールデンタイムと呼ばれる時間帯での糖質の役割には複数あります。まずは、筋トレで使用した分、つまり枯渇した筋グリコーゲンを充填してあげることですね。

これをしておかないと筋トレ直後の体というのは栄養不足となっている可能性が高いため、すぐに筋肉の分解が進んでしまうことになります。

そして、2点目はインスリンレベルの上昇を狙って筋肉の合成をサポートすることです。

インスリンとは普段、筋トレをしない方でもよく聞く言葉だとは思いますが、糖質など甘い食べ物を摂取すると分泌される体内ホルモンの一つであり、糖分などを摂り込んだ後に血糖値を下げる働きを主に担っています。

そして、インスリンレベルというのは血中のインスリン濃度のことを指し、筋トレ直後にはこのインスリンレベルを上げておく必要があるため、糖質を摂取することが求められるのです。

では、なぜインスリンレベルを筋トレ直後に上昇させておく必要があるのか?

インスリンの働きの一つに体内のアミノ酸(タンパク質の最小単位)を筋肉に運ぶというものがあります。

アミノ酸はご存じの通り筋肉の直接的な材料となりますが、糖質はその材料を筋肉まで届けてあげる役割を担っており、現実世界でいうならば宅配屋さん的なポジションです。

アミノ酸が体内に豊富に存在してもそれを筋肉に届けることができなければ、筋肉量の増加という目的を果たすことができず、逆に筋肉の分解などの弊害が起こりやすくなるため、筋トレ直後には糖質とタンパク質との同時摂取が筋肉づくりには非常に有効であるとされているのです。

炭水化物(糖質)が重要なのは理解できたけど何から摂取すればいいの?

炭水化物(糖質)の筋トレ前後の重要性が分かったところで、今度はその摂取方法が気になるところだと思います。

意外とこの摂取方法で悩む方というのも多く『糖質は何から摂ったほうがいいのか?』という声も聞かれてきます。そこで、ここでは効率的に炭水化物を摂取できる方法などを取り上げてみたいと思います。

筋トレの強い味方となる果糖(フルクトース)

果糖(フルクトース)は主に果物に含まれている糖分となりますが、体内においての吸収率が極めて優秀なことで知られています。吸収率が優れているということは、筋トレ前後において効率的にエネルギーを補給できるということであり、身近なものだとスポーツドリンクなどにもこの果糖が使用されています。

そして、筋トレのみならず通常のジョギングや運動などの糖質補給として有名なのがバナナ

バナナには100g中に約21gの糖質が含まれており、非常に効率的に糖質を補給することができます。また、ペクチンと呼ばれる酵素がバナナには含まれていますが、このペクチンが体内においての吸収を助ける働きをしています。

もちろんバナナは筋トレ後の糖質補給でも活躍できる食材であり、プロテイン(タンパク質)と一緒に摂取するのもおすすめです。

また、リンゴは健康にも良い影響を及ぼす果物であり、100gで10gの糖質が摂れ、50kaclと低カロリーであるため、筋トレ前後の栄養補給にもぴったりです。

特にリンゴの皮に含まれるウルソル酸には筋肉の成長に良い影響を与えるということがアイオワ大学(米国)の研究者らの発表でわかっています。

果物などに含まれる糖質は単糖類と呼ばれる糖が一つだけの状態となっており、糖質の中では最も最小単位の部類に属しているため、吸収時間が非常に速いというメリットがあります。そのため、筋トレ前に果糖を含んだバナナやリンゴを摂取する場合は30分~1時間前の摂取でも十分に筋トレ中のエネルギーとして利用することが可能です。

アスリートにも人気のマルチデキストリン

プロのスポーツ選手やアスリートも取り入れている炭水化物資源のマルチデキストリン

マルチデキストリンとは多糖の一種であり、食品にも含まれていることが多いですが、効率的に糖質を摂取できる方法として筋トレをしている方には注目されていますし、フィジーク選手やボディビルダーなどでは取り入れている人も多くいます。

プロテインがタンパク質のサプリメントとするならば、マルチデキストリンは糖質のサプリメントといったところであり、糖質を効率的に摂取したいという方にはぴったりです。

本格的に筋トレを行っている方になると筋トレ前と直後において【マルチデキストリン+ホエイプロテイン】という組み合わせで使うことが多く、吸収スピードの速さも筋トレ前後に適している理由となります。

食べ物から糖質を摂取した場合と比較すると、余分な栄養素を省くことができるため、よりピンポイントで糖質だけを体内に摂り込むことができるのもマルチデキストリンの大きなメリットです。

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食品から糖質を摂取する場合に注意しておきたいこと

今回は筋肉づくりに糖質が必要な理由や、糖質の効率的な摂取方法を解説しました。

本格的に筋肉づくりを行うのであれば、より効率的に糖質を摂取することができるマルチデキストリンのサプリメントなどを購入するのがベストですが、予算の都合などで購入できないという方もいると思います。

そのような方たちは必然的に食品から糖質を摂取することになりますが、食べ物から糖質を摂り込む時に注意しておきたいことは炭水化物(糖質)の種類をしっかりと把握しておくことです。糖質には先ほども取り上げた、果糖の他にも二糖や多糖があります。

このうち果糖や二糖というのは単体、もしくは2つの糖の小さな単位で構成されているため、体内に摂り込まれても比較的スムーズに吸収されていきますが、多糖の場合は多くの糖と食物繊維が連なって形成されています。そのため、多糖で構成されている白米やパン類などは体内での消化・吸収に時間がかかるという特徴があります。

これは、通常の食事であれば問題はありませんが、筋トレ前後などの吸収時間のスピードが要求されるシーンにおいては弱点となるため、特に筋トレ後などではマルトデキストリンに比べると劣ると言えます。

筋トレ前にどうしてもおにぎりなどから糖質を摂取したいという方は、最低でも1時間前、余裕を持って2時間前には体内に摂り込んでおくようにしましょう。

筋トレ後はできればマルトデキストリンが望ましいですが、おにぎり1個やバナナ1本などでも問題ありません。吸収に時間がかかるとってもマルトデキストリンに比べてのことですので、摂れば徐々に消化が始まり、吸収していきます。そのため、筋トレ後に糖質を摂らないよりは長い目で見ると大きな違いとなって現れてきますので、プロテインと一緒に糖質も摂ることをおすすめします。

このように糖質もプロテインと同様、吸収時間に違いがあるため、この点もしっかりと把握しておく必要があります。これから筋肉づくりを始める方は、ぜひ参考されて下さい。

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