腹筋を効果的に割るクランチのやり方を身に付けよう!回数や頻度は?

クランチの効果的なやり方

腹筋運動にはいろいろな種目がありますが、もっともポピュラーでベーシックな種目がクランチです。

単純な動作ですが、ポイントを抑えないときちんと効かせることができず、無駄な努力になってしまい兼ねません。単純だからこそ、逆に難しい、そう言えるのがクランチです。

まずは、クランチの効果的なやり方や回数、頻度を解説し、続けてクランチとは一体何なのか?旧来の腹筋トレーニングであるシットアップとの違いなどをお伝えしていきたいと思います。

これからお話することをしっかりと意識してクランチを実践してみて下さい。きっと引き締まった腹筋が手に入ることでしょう。

そして、引き締まったお腹になってからもクランチを継続し、年齢を重ねても素敵なお腹を維持していきましょう。

クランチのやり方

クランチは簡単に見えますが腹筋に効かせるためには、いくつかポイントがあります。

ポイントを押さえてしっかり効かせるトレーニングを行っていきましょう。

ここでは最も効果的な脚を上げた姿勢で行うクランチの方法を解説したいと思います。

  1. うつ伏せになり、手を頭に添えるか、胸の前で組みます。
  2. 脚は股関節と膝関節を90度にする形で上げ、これがスタートポジションとなります。こうすることで動作中に腸腰筋や大腿四頭筋の関与を除外し、腹筋に集中的に負荷をかけることができます
  3. スタートポジションをとったら、背中を浮かしていく準備段階として腹筋に力を込めます。
  4. 力を込めたら、背骨を一つ一つ浮かすようにして脊柱を丸めていきます。目線はおへそを覗き込むようにします。
    この動作により、脊柱を構成する頸椎、胸椎、腰椎が屈曲します。
    腹筋の収縮は腰椎の屈曲により実現され強く刺激されることになりますが、頸椎と胸椎の屈曲は腰椎の屈曲をサポートします。
  5. 他の関節運動同様に脊柱の可動域には個人差がありますので、どこまで上げるかは意識しなくても大丈夫です。
    自分ができる限界まで丸め込むことを意識しましょう。
  6. 丸め切ったら、今度は逆の手順で背骨を一つ一つ床に付けていくようにしてスタートポジションに戻り、1回の動作が完了です。
  7. これを目標回数反復します。

特に重要なポイントは、反動を使わないと言うことです。

背骨を一つ一つ浮かしていくことを常に意識して行いましょう。

戻る時も力を抜いて戻らないようにします。
ゆっくりと背骨を床に接地していくようにします。

また、手は頭に添えるだけにします。
手で頭を倒そうとすると頸椎に無理な負荷がかかり首を痛める危険があるので注意して下さい。
首の力を使って自然におへそを見るようにします。

ちなみに手を頭に添えるのは、強度の問題と関わってきます。

自重で行うクランチの場合、強度が高いのが手を頭に添えるパターン(または手を頭上に伸ばすパターン)で、もっとも強度が低いのが手を前に伸ばして行うパターンです。胸の前に組んで行うパターンは、その中間くらいと考えてよいでしょう。

また、脚を上げて行うクランチでうまく反復できない場合は、脚を床について多少下半身のサポートを得る形で実施てもいいと思います。

慣れてきたら、手の位置を変えるか、脚を浮かして負荷を腹筋に集中させていきましょう。

ここまで説明したポイントを念頭に動画でしっかりと動作の確認を行ってみて下さい。

動画では、フィニッシュで肘と膝を付ける動作をしていますが、この動作は首を無理に屈曲させてしまい危険な場合があるので初心者の人は控えておいた方がいいでしょう。

初心者の人は肘を横に開く形を基本とし、上半身を丸め込めるところまで丸めることを意識して行って下さい。

ある程度の経験を積んで首に負担がかからないように制御できれば、動画の方法は適切な動作のお手本として効果的です。

クランチの回数と頻度

腹筋は遅筋が優位な筋肉なので、大きくすることがとても難しい筋肉位のひとつです。

大胸筋や太ももの前の筋肉、大腿四頭筋等と比べると、目に見えて大きくなることはありません。

しかし、筋肉であることには変わりないので正しくトレーニングすれば立体感を伴い、溝が形成されるくらいまでには成長します。
逆に言えば、溝ができればその時点でかっこよく、引き締まった腹筋が手に入っていることです。

筋肉を大きくするためには、他の筋肉と同様の筋トレ方法を用いることが基本となります。

8~12回が限界の負荷でトレーニングすることです。
(引き締まった腹筋なら自重で限界まで反復する方法でも実現できます)

クランチの場合は基本的には自重で行う筋トレなので、この負荷の調節が必要に難しいのもたしかです。

ここで活用したいのが、スロートレーニングです。

動作をゆっくりと行うことで、筋肉を持続的に緊張させ負荷を高める方法です。

通常の速さで動作した場合に20回も30回もできる場合は、3秒かけて上げて、3秒かけて下ろす
このように動作に時間をかけて行ってみて下さい。

ゆっくりやる程、負荷が高まります。

3秒でも楽にできるようになったら、5秒にしてみる。

このようにダンベルの重量を上げるように秒数を増やして負荷を高めていくことができるので、ぜひ試して下さい。

もちろん、おもりで重量を調節しても構いません。

その場合は、中身の入ったペットボトルを両手で持って後頭部に保持して行うやり方、胸の上に抱きかかえるようにして行うやり方などがあるので、自身の体力に応じてペットボトルの位置を決めて下さい。

ペットボトルだけでなく、重量があるものであれば何でもOKです。
ダンベルやプレートなど自宅にあれば、それを用いてもよいでしょう。

8~12回が限界の負荷で行うと言いましたが、腹筋など遅筋優位の筋肉は完全にこのパターンに当てはまるわけではありません。

実は腹筋は筋肥大トレーニングに適した回数で行うだけでなく、限界まで追い込むことでも反応します。

腹筋が引き締まり溝ができるくらいの細マッチョを目指す場合なら、限界まで繰り返すやり方でも十分です。

このやり方は、やがて成長が鈍化し、成長しにくくなるので、ボディビルダーを目指すなら8~12回が限界の筋肥大トレーニングを行うのが最適な方法だと言えます。

セット数については、いずれの方法でも運動不足の人や筋トレ初心者の人は1セットからはじめ、体力の向上に合わせて5セットまで増やすようにしてみましょう。

もし、スロートレーニングで5セットが楽にできるようだったら、もはや自重では追い込めない状態にあるかと思いますので、重量を加えるようにして下さい。

重量を加えて行うパターンで5セット楽にできるようだったら、さらに重量を増やすようにしてみましょう。

頻度については、腹筋が回復が早い筋肉であることもあり、基本は毎日です。

ただし、トレーニング初期は回復に時間がかかる場合があるので、慣れるまでは1日おきで行うのが安全です。

また、腹筋は筋肉痛が出にくい部位ではありますが、筋肉痛がひどい場合は収まるまで休養をとることも大切です。このあたりは自分の体の状態から判断して下さい。

ある程度経験を積んだ後は、基本的に毎日行うようにしてみましょう。

ただし、時々中1日程度の休養を入れて完全回復を促すことは中長期的に有効となります。

あまり神経質にならず、疲れが抜けてないと思ったら休んでおこうかなくらいの気持ちで取り組むことが筋トレを続ける秘訣でもあります。

1回のトレーニングをいくら頑張っても続けなければ効果はでてきません。

続けることを第一に楽しくトレーニングしていきましょう。

クランチとは?

「クランチ」は、直訳すると「噛み砕く」という意味で、腹筋をギュッと潰して「噛み砕く」ような動作を表しています。

腹筋を十分に刺激するには、腹直筋を縦に収縮する必要があるのですが、そのような収縮を可能にするのが噛み砕くような動作になるのです。理にかなった動作であると言えます。

以前は腹筋トレーニングと言えば、上半身をグイッと起こすシットアップ(上体起こし)が主流でしたが、現在の主流はお腹を丸めるようにして背中を浮かし腹直筋を収縮させるクランチが腹筋トレーニングのもっともベースとなる種目となっています。

クランチは、腹直筋の働き(機能)を基にした動作により、最も効果的とされる筋トレ方法されていて、いまでは腹筋トレーニングの基本種目として広く実践されるようになりました。

一見単純に見えるクランチの動作ですが、効果的に刺激するためにはポイントを押さえておく必要があります。

ポイントを押さえて正確な動作で行うと、かなりきついトレーニングなんです。

もし、初心者の人で何十回も楽に反復できるといった場合は、不正確なフォームで負荷が分散しているかも知れません。
正しい動作でトレーニングすることで、最短で最高の結果を出していきましょう。

これまで腹筋トレーニングをこなしてきて、腹筋の筋力が強い人や筋持久力が高い人は、楽に反復できるようになっているでしょう。
そのような場合は、自重だけでは成長しなくなるので、負荷を加えて行う等、刺激を高めていく必要があります。

シットアップとの違い

シットアップは腹筋も使いまずが、メインで使うのは腸腰筋です。
(腸腰筋は、ひとつの筋肉と思いがちですが、解剖学的には大腰筋、小腰筋、腸骨筋に分かれています)

シットアップの主となる動作は股関節の屈曲であり、腹筋をターゲットにした動作ではないのです。

別の種目に置き換えて説明すると、アームカールは力こぶの上腕二頭筋を主働筋として動作する種目ですが、その過程で補助筋として三角筋も使っています。

これをシットアップに当てはめると、主働筋は腸腰筋で補助筋が腹筋群になるのです。

なぜ、シットアップが腹筋の筋トレとして長く行われてきたかというと、上体を起こす過程で腹筋がアイソメトリック収縮を起こし固まっていることから腹筋がよく使われていると勘違いされたものと考えられます。

もちろん、アイソメトリック収縮を起こしているということは、均衡を保った状態で腹筋が使われているのはたしかです。

しかし、シットアップが股関節の屈曲運動であることを考えると、よく使われている筋肉(主働筋)は、腸腰筋に他らないのです。

ただ、腹筋にまったく効果がないと考えるのも早計です。

アイソメトリック収縮を起こしているということは、体を固定する力を身に付けるために有効な「体幹トレーニング」を行っていることになります。

筋肥大させることで腹筋に深い溝を作って人目を引く腹筋を目指すなら物足りないないですが、体幹の固定力を高めたり、腹部の引き締めには有効であると言えます。

ただ、シットアップは腰への負担が大きいため、腰に不安のある人はもとより、腰に問題が無かった人も腰を痛める場合があります。
脊柱にかかる負担は300kg以上とも言われていて、このような負担を強いる動作を繰り返すことは自ら腰にダメージを与えていることになります。

体幹トレーニングとしての効果があったとしても腰を痛めてしまっては元も子もありません。

この点からもシットアップは、体幹を強化する方法としても望ましくなく、別の安全なトレーニングを選択する必要があると言えます。

また、腰への負担という点から腸腰筋を鍛える種目としても最適であるとは言えません。

腸腰筋を鍛えようと思ったら、腰への負担が少ない「ハンギングレッグレイズ」などを選択することが望ましです。

一方、クランチは腹筋群に衝撃的な刺激を与えてくれます。

なぜなら、腹筋を収縮させるためには腰椎の屈曲が必要なのですが、その腰椎の屈曲を行って動作するのがクランチだからです。

しかも、シットアップのように股関節の屈曲が伴わないため、腰への負担がなく安全にトレーニングすることができます。

このことからクランチは、腹筋(腹直筋)の筋力アップ、筋肉アップ(筋肥大)に最も安全で効果的なトレーニングであると言えます。

またシットアップについては、背中を丸めるようにして背中を浮かし、そこから上体を起こす動作であれば、床に対して30度程度までは腰椎の屈曲を行っています。

その30度の地点がフィニッシュポジションだとすれば、まさにそれがクランチであり腹直筋に大きな刺激を加えます。

しかし、シットアップでは起こしていく過程で腹筋群の緊張は低減していき、腸腰筋メインの動作となるのです。

背中を丸めて腰椎の屈曲が発生しない動作では、腹筋群の収縮は限られたものとなり、上記で説明したように主にアイソメトリックス収縮が発生することになります。

つまり、背中を真っ直ぐにしたまま股関節の屈曲だけで上体を起こす動作ですね。
これまでシットアップをしている光景を目にした時は、こちらの動作が多い傾向にあるように思います。

このようにクランチとシットアップは、筋肉の働きを異にする種目であることが分かると思います。

もし、腹筋を鍛えるためにシットアップを行っているなら、クランチに切り替えて最高の腹筋を手に入れて下さい。


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