コンパウンドセット法で筋肉をパンプさせてさらなる成長を目指す

コンパウンドセット法

コンパウンドセット法とは?

2種目連続で行うやり方についてはスーパーセットと同じですが、スーパーセットが拮抗する筋群(または別の筋群)を鍛える種目を2種類組み合わせるのに対し、コンパウンドセット法は、同じ筋群(協同筋)を鍛える2種類の種目を組み合わせます。

ちなみにコンパウンドセット法は、2種目を組み合わせて行うトレーニングテクニックを一括りにしてスーパーセット法と呼ぶことがあります。
ここでは、説明上スーパーセット法と区別しますが、コンパウンドセット法をスーパーセットと言っても間違いではありません。

コンパウンドセット法の組み合わせとしては、例えば、上腕二頭筋を鍛える2種目、大胸筋を鍛える2種目、大腿四頭筋を鍛える2種目(※)など、同じ筋群を鍛える種目を組み合わせます。
(※)あるいは大腿四頭筋を主働筋(動作の過程で主に働く筋肉)のひとつとする複数の筋肉を鍛える種目

このように同じ筋群を組み合わせるので単純ですが、大腿四頭筋は少し分かりにくいので補足します。
大腿四頭筋に関しては、スクワットなど大腿四頭筋以外にもハムストリングス、大殿筋が動作の過程で主働筋として働きます。

この場合、大腿四頭筋の種目として組み合わせられるのか、少々混乱するかも知れませんが、組み合わせて大丈夫です。

なぜなら、スクワットの場合、3つの筋群のどれもがメインで使われる筋肉だからです。(主働筋として働くので当然でありますが)
そのため、迷った場合は、メインで使っている筋肉は何かを意識して下さい。それが複数あっても、その中に組み合わせる種目の筋群が合致すればOKということです。

とうことで、一例をあげれば大腿四頭筋が主働筋のひとつであるスクワットと大腿四頭筋にターゲットを絞ったレッグエクステンションを組み合わせることができます。

コンパウンドセット法のやり方は、組み合わせ方が違うだけで、他はほぼスーパーセット法と同じです。

筋肥大を目標としてコンパウンドセット法を取り入れた場合、一般的には1セット(2種目)×各8~12レップ(反復回数)を3~5セット行います。

セット間の休憩については、通常通り休みを取ります。(スーパーセット法はセット間も休憩せずに行うパターンがある)

コンパウンドセット法の効果

効果やメリットに関してもスーパーセット法と重なる部分が多く、下記の点が挙げられます。

  • 筋肥大の促進
    スーパーセット以上にパンプ感が得られ、筋肉への血流も促進することから、ボディビルダーが筋肥大を目的に好んで取り入れています。
  • 筋持久力の増強
  • 心肺機能の向上
  • プラトー(停滞状態)の打開
  • 時間を短縮して効率的にトレーニングできる(メリット)

コンパウンドセット法の取り入れ方

個々人のトレーニングレベルや目的によって違ってきますが、上述の効果やメリットに照らして取り入れるといいかと思います。

例えばプラトーやマンネリ化で筋トレの成果が伸び悩んだ場合、負荷・刺激を高めて筋肉の成長を促したい場合、筋肥大とともに筋持久力のアップも図りたい場合、トレーニング時間が限られている場合、筋肥大とともに心肺機能の向上も図りたい場合など。

また、トレーニングプログラムやメニューを組む際、トレーニングルーティンに変化を付けるためのバリエーションのひとつとして組み込むのもいいでしょう。

コンパウンドセット法もスーパーセット法同様、フォームの崩れや怪我の危険性から初心者には向かないトレーニング方法になります。
そのため、中上級者のトレーニーが、ある段階でのトレーニングプログラム・メニューの再構築時や進歩の状態を判断して取り入れるようにするとよいでしょう。

コンパウンドセット法の種目組み合わせ例

コンパウンドセットにおける種目の組み合わせ例を示します。
といっても、同じ筋群を鍛える別々の種目を組み合わせますので、あまり難しく考える必要はありません。

種目例の順番と動画内の実施種目の順番は合わせています。

  • EZバーカール(上腕二頭筋)+ハンマーカール(上腕筋・腕橈骨筋・上腕二頭筋)
  • インクライン・ベンチプレス(大胸筋)+プッシュアップ(大胸筋)
  • ダンベルフライ(大胸筋)+手のひらを向い合せたダンベルプレス(大胸筋)
  • レッグエクステンション(大腿四頭筋)+ダンベルスクワット(大腿四頭筋・大殿筋・ハムストリングス)
  • ライイング・トライセップスエクステンション(上腕三頭筋)+クローズグリップ・トライセプスプレス(上腕三頭筋)

終わりに

コンパウンドセット法は、スーパーセット法と似ていますが、筋肉に対する刺激は大きく異なります。

そのため、どちらを選択するか迷った場合は、最も優先する目的、重要な目的を基準に選ぶといいと思います。

例えば、今よりも筋肥大や心肺機能の強化も図りたいが、最優先は時間効率といった場合は、スーパーセット法。
時間効率はどうでもいい、筋肥大を最優先にしたいといった場合は、コンパウンド法。

マンネリ化防止やプラトー打開を目的にした場合は、どちらの方法も、またはいずれかの方法をトレーニングプログラムに随時組み込んだり、外したりすることになるでしょう。

トレーニング理論に「漸進性(ぜんしんせい)の原則」という考えがあります。
これは、同じ負荷や強度でトレーニングを続けても、いずれ効果は頭打ちになってしまうことを伝えています。
つまり、一定期間ごとに使用重量やレップ(反復回数)を増やして、身体に対する刺激を高めていかないとトレーニングの効果は得られないということです。

体力維持や健康目的であればこれでもいいのですが、筋肥大や筋力アップでは漸進性の原則を十分に意識しなければいけません。
漸進性の原則に沿った場合、重量を増やすか同じ重量でもレップを増やすのが一般的ですが、やや高度な手法としてコンパウンドセット法(スーパーセット法も)などのテクニックも取り入れることは刺激を高める手段として有効となります。
もちろん、コンパウンドセット法を取り入れたら、今度はその中で漸進性の原則に沿って、使用重量やレップを増やしていくことが必要となります。

それでは、充実したトレーニングライフを送ってください!

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